街探検・比丘尼坂、平将門の妹が作った甘酒

SNSフォローボタン

フォローする

宮城野区燕沢にある「比丘尼坂(びくにざか)」を見てきました。

「比丘尼坂」は仙台市中心部から利府街道を東へ進み東仙台を越えたあたりを北東に入って西友燕沢店や仙台市営バス東仙台営業所の横を進んだ場所にあります。

東仙台営業所の裏側の道路を北へ入って行きます。

道路が上り坂になってきました。ここが「比丘尼坂」ですが住宅街の中の普通の坂道ですね。

坂道は東へカーブしています。その曲がり角に辻標がありました。

「燕沢」と「比丘尼坂」と書かれています。比丘尼とは出家して仏門に入った女性のことで尼僧とも言いますが、坂道の名前になった伝説が残されています。天慶三年に平将門が反乱を起こして滅ぼされた時、将門の妹が奥州に逃げてきて尼さんになってここに住みました。

尼さんになった将門の妹は茶屋を開き旅人に甘酒を売って生活したそうです。その甘酒が美味しいと評判になり、尼さんが亡くなった後も「比丘尼坂の甘酒」として受け継がれて塩釜街道の名物として明治時代まで甘酒屋が続いたそうです。

燕沢の「蒙古の碑」を見に来た時に訪れた善応寺には、尼さんを祀った「比丘尼塚」があります。

「比丘尼塚」は明治四年に村の人たちが建てたもので昭和になってから善応寺に移されました。燕沢には元寇の時に敗れた蒙古兵が逃げてきたという伝説がありますが、平将門の妹が逃げてきたという伝説もあるんですね。伝説が本当かどうかは判りませんが、時の権力者に負けた人が当時の国の果ての奥州まで逃げてくるということは実際にあっても不思議ではないのかなと思いました。

※参考文献
三原良吉「郷土史 仙台耳ぶくろ」宝文堂
古田義弘「仙台城下の町名由来と町割り」」本の森




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする