街探検・鹿落坂を行く、その2

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前回に引き続いて「鹿落坂(ししおちざか)」を見ていきます。仙台市中心部から霊屋橋を渡り、坂を登って上まで来ました。

鹿落坂を登り切る手前に「鹿落坂」と「越路」と書かれた辻標がありました。昔は向山から八木山にかけての一帯を越路(こえじ)と言い、八木山は越路山と言う名前でした。愛宕神社から鹿落坂へと続く道は仙台開府前の古い東街道で、丘陵地や川を越えて行くので「越路」と名付けられたそうです。また一説には雄鹿が雌鹿に恋して行き来した道「恋路(こいじ)」が訛って「越路(こえじ)」になったという説もあるそうです。

辻標の向かい側には鹿落坂から一段高くなっている場所があります。石段を上がった先にあるのは鹿落観音堂です。

石段の登り口に大きな石碑があり、その横には鹿落観音の由来が書かれた説明板がありました。

鹿落観音は仙台三十三番目の札所で、もともとは経ヶ峰にありましたが、政宗公の霊廟「瑞鳳殿」が経ヶ峰に建てられることになり現在の場所に移されたそうです。

狭くて急な石段を上がって観音堂に行ってみましょう。

石段を上がって行くと石仏や石碑が並んでいる場所に出ました。石仏には天保三辰年十一月廿九日の文字がはっきりと残っていました。今から180年位前に建立されたもののようですね。

他にも沢山の石碑が並んでいましたが、その先に鹿落観音堂がありました。

小さいながらも立派な本堂にお参りしたあと右側を見たら素晴らしい絶景が広がっていました。

鹿落坂から見える景色も素晴らしいものでしたが、坂よりも更に一段高い場所からの眺めは仙台城址や愛宕神社からの眺めに匹敵するほどのビューポイントだと思いますが、観音堂の境内は非常に狭くて展望のための設備もなく、観音堂を管理している尼さんの住居の前から見るような状態なので、お参りのついでにちょっと眺める程度にしたいですね。

※参考文献
三原良吉「郷土史仙臺耳ぶくろ」宝文堂
古田義弘「仙台城下の町名由来と町割り」本の森
河北新報出版センター著・発行「忘れかけの街・仙台」
西大立目祥子「寄り道・道草 仙台まち歩き」河北新報出版センター




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